「ミッション構築」成果事例 |
【事例1】 ミッション「楽しむ・楽しませる」 40歳を過ぎたばかりの女性経営者Kさんが率いる下町のサロンは、安定した売上げを上げ、特に問題はないように思えました。 ところが、お目にかかって雑談をするうちに、経営者の「仕事魂」に火が点いたようで、「もう一度、昔のように夢を持って事業を大きくしたい!田畑さん、手伝って欲しい」という申し入れを受けました。 いつものように、サロンに仲間として入らせていただき、お手伝いが始まりました。 2〜3か月かけ、何度も繰り返しスタッフ全員で話し合いを重ねた結果、でき上がったミッションは、『私たちは『楽しさ』を通じ、お客様と心を共有し、真の豊かさを目指します』というものでした。 「楽しむ、楽しませる」ことを自分たちの「使命」として、仕事に取り組んでいくことをスタッフ全員で約束し合いました。 毎日の朝礼で、ミッションをスタッフ全員で唱和することにしました。 終礼では、今日ご来店された一人ひとりのお客様に対し、もっと楽しんでいただくことはできなかったのか、次回のご来店時にはどう楽しんでいただこうか、とミーティングを重ねていきました。 ちょっと聞くと大変そうに思われるかもしれませんが、スタッフたちは、自分たちの目指すゴールがハッキリしたので、そこに向かうためにはどうしたらいいんだと首をひねり、考えることを楽しみながら一日一日を過ごしていたようです。 それからしばらくして、ある日のミーティングで、一人のスタッフがこう言いました。 「以前は、自分の売上げを上げるためにはどうすればいいだろう・・・、ということばかりを考えていて、仕事をしていたんです。でも最近は、お客様に楽しんでいただくにはどうすればいいのか?と考えるようになりました。仕事に対する考えがすごく変わりました」と。 また別のスタッフは、「売上げが悪いのは、お客様に楽しんで欲しいという、私たちの想いが足りないからだと思います。だから、それがしっかりできているか、もっとできることはないか、っていつも考えるようになりました」と。 サロンの雰囲気やお客様の様子はみるみる変わりました。 店内は、明るく笑顔で満ちています。 お客様からの「ありがとう」の言葉が、頑張る自分たちへの最高のご褒美であると実感を得たのです。 売上げも徐々に上がっていき、ミッションを構築してから6か月後、ひと月200万円強だった売上げが、ほぼ倍増の397万円にまで達したのです。 その後も、対前年実績の130%を超える売上げで推移しています。 スタッフ全員が口を揃えて、「仕事が楽しい!」と言い、経営者Kさんは、「少し優しくなった気がする・・・」と。 これらのことも、相手のために何ができるか、を追求している成果ではないでしょうか。 【事例2】 ミッション「・・・(お店の存続)」 月の売上げが90万円を割り込み、ジリ貧状態の支店を抱えるサロン経営Hさんから、「閉店の是非を検討したい・・・」との依頼を受け出向きました。 支店は、スタイリストとジュニアスタイリストの若い女性2名だけで頑張っているサロンです。 サロンの今後に関して時間をかけて話し合いました。 その結果、2人から、「頑張ってお店を残したい!」という言葉を聞くことができました。 ならば、ミッションは『お店の存続』しかありません。 売上げの目標は、ひと月目から130万円と定めました。 限られた時間のなかですので、私のほうからいくつかの提案をしました。 売上=来客数×客単価 で決まりますので、とにかく客数と単価をアップさせること以外にありません。 客数については、「お客様を断らない」ということでした。 これまでは、どちらかに指名が重なったり、どちらもお客様に入っている状況だと、新たな予約や飛び込みのお客様をお断りしていたようです。 これはもったいないですから、もし片方に指名が重なったら、当人の指示のもとで、もう片方が担当できるようお客様にお願いをしたり、状況によっては、営業時間を延ばしてでも、その日のお客様すべてを、逃さず対応することに努めました。 単価については、「いかにお客様に気づきをもたらすことができるか」に集中しました。 人は、悩みや苦痛から逃れるときに強く反応する、という習性があります。 お客様の髪の悩みを少しでも多く聞きだし、一つひとつの解決策を提案するのです。 「今のスタイルや普段のお手入れでお悩みの点はないですか?」と訊き、プロの観点からアドバイスをしていきます。 お客様は、「わたしのためを想って言ってくれているんだ」と納得できれば、喜んでそれに応じていただけるはずです。 このように、スタッフ2人と私の3人で、怒涛の1か月を過ごしました。 2人は、ろくに食事も取れなかったようです。 そして結果は・・・ 見事!目標の130万円を超え、138万円の売上げをつくりました。 客単価も、目標だった8,500円を上回る、8,750円を達成!! スタッフは、こう言います。 「仕事やお客様に対する意識が上がり、それを行動に出せた結果だと思います。お客様に、自分たちの気持ちが少しは通じたのかな、と思いました」と。 こうして、「お店の存続」に成功しました。 そしてこのあと、組織全体で「感動マーケティング」に取り組み、業務の改善を果たしていったのです。 【事例3】 ミッション「地域に愛され必要とされる」 広告宣伝費を一切かけず、新規増客130%という事例もあります。 こんな魔法のようなことができるのか、とお疑いでしょう・・・。 このサロンでは、ミッションを『お客様に喜んでいただき、地域に愛され必要とされるサロンを目指します』と決めました。 その実現に向けてスタッフたちは、 *店頭にメッセージボードを置き、毎日自分たちの想いを書く。 *店の周辺道路まで、掃除を徹底する。 *サロンの外でも、顔見知りの人には、明るく元気に挨拶をする。 *毎月、誕生月のお客様全員(一度でも来店実績のある人)の名前を貼り出し、お祝いする。 ・・・などなど。 地域の多くの方々に、愛され必要とされるための工夫を凝らし始めました。 もちろん、結果はすぐには出ません。 しかし、スタッフみんなの表情は明るくなり、サロン全体に活気が生まれました。 ほんの少しですが、立ち止まってボードを読んでくれたり、貼り出してある名前に興味を持って見てくれたり、挨拶をしてくれる人も増えました。 そうなると、スタッフたちも「お客様に喜んでもらうことが、一番嬉しい!楽しい!」と口にするようになり、接客の様子も自然と変わっていきました。 次第に、挨拶だけだった地域の人が、一人、また一人とサロンに来てくれるようになりました。 こうして3か月が過ぎたある日のミーティングで、業績結果を見ると、なんと!新規の客数が、これまでの月平均に対し、130%もアップしていたのです。 スタッフみんなの想いがお客様を呼び寄せることとなりました。 「地域の方々のお役に立ちたい!」と一生懸命に取り組む姿に、人は尊さを感じ、「応援したい!」という気持ちとなって、ご来店に結びついたのでしょう。 |
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